親の役割 #5 社交//
少し体調を崩し、ブログ更新がストップしていました。ごめんなさいっ!
さて。。幼児期の社交?
まだまだ。。と思っていても、親として、やはり頭の隅に置いておくことが必要だと思う。
親業、ペアレンティングとは、子供が独り立ちできるように教えていく仕事。
親として今そばにいる自分たちが、いなくなった時、
つまり“つっかえ棒”を取り去った時に、
子供が、きちんとまっすぐ立っていられるように、と
いろいろなことを知識、教養、体験としてインプットしていく、という仕事。
残念ながら、
形も無いし、マニュアルも無いし、前例も無い。100%オリジナルで試行錯誤して伝えていく。
自分だけが残せる自分の子供への贈り物。
そんな親の役割として、『社交』の大切さ、ノウハウを学ばせることも大切である。
これは、今だ、問題になっている『いじめ』という環境の回避にも繋がると思う。
昔、息子が小学校の低学年の頃。
アメリカンスクールへの通学は、エリア内の5歳から18歳までの生徒が利用するスクールバスを利用していたのだが、その往復のバスの中にも既に『社会』があった。
高校生のお兄ちゃん、お姉ちゃんは、小さい子供たちの面倒を見る。
本を読んであげたり、宿題などを教えてあげることも。
席は決まっていないので、その都度違う子と隣合わせに座ることになる。
バス内のルールがきちんと設定されていて、『バスモニター』と呼ばれる年長学年で学校から認定された資格を持つ生徒が、いわゆる”機長”のように、全ての権限を持つ。
乗車している生徒がルールを破ると、記録され、年に3回に達すると、一定期間、スクールバスの乗車権を失う、という罰まであった。
(その場合、その生徒は、その期間、家の車で送リ迎えをしてもらうか、一般の交通機関での通学になってしまう)
そんな中で、子供たちは、社会のルールや上下関係を学ぶわけである。
ある時、親たちの間で話題になったのが、バス内の過ごし方。
当時、子供たちの間で流行になっていた『ゲーム』について。
これまでも、SUDOKU、UNO、トランプ、クロスワードなどは、読書と同じように、楽しんでいたが、この時、問題になったのは、いわゆる、コンピューターゲーム。
“勉強の妨げになるから、うちは与えない”
“私物として盗難や破損の問題を引き起こすから、持たせない”
“うちは、持たせている”
“バスの中ぐらい、ゲームをやらせても”
。。。とまあ、いろいろな意見が出た。
本当に、各家庭の考え方だと思う。
その子の性格や状況によっても、答えはひとつではない。
うちは、というと、
成績は落とさないこと。
学校内では触れないこと。
バスの中では、音を消すこと。
人に貸したり、借りたりしないこと。
ゲームが原因で何か問題が起きた時は取り上げ。。
等々。。細かくルールを決めて、与えた。
その時、息子を見ていて私は、彼を信じることができた。
彼は、ゲームを『コミュニケーションのツールとして上手に使う』だろうと確信したのである。
子供には、子供の社会がある。
フランクな性格で誰からも愛される息子だったが、私は、それなりに頭を働かせて、上手にいろいろな人と社会を作っている彼を見ていた。
ゲームを知らない、ということで、友達との会話に入っていけない、という状況を、私はその時作りたくなかった。
大人にとって、たかがゲームでも、子供にとっては、社会を形作るひとつのツールだったりする。
隣の子と仲良くなれるかもしれない。
話すきっかけになるかもしれない。
社交を考えての必要なツールなのである。
もちろん、私物への責任や使い方のルール、時間の管理などを学習する機会としても、上手に親は指導しなければならない。
時代は凄まじいスピードで進化し、電子書籍やタブレット、携帯電話。。子供の持ち物もどんどん便利だが高価なものになり、親は、その都度、年齢や環境、子供の精神年齢などを考慮しながら、かなり難しい選択、決断が要求される。
もし、子供にとって、
新しいもの、新しいこと、が問題になったら、
逃げないで、避けないで欲しい。
目の前から取り上げることだけが、問題回避ではないと思う。
納得できないまま、ただ禁止されたら、好奇心が余計煽られ、隠れて手を伸ばすかもしれないし、子供の社交を邪魔してしまうことになるかもしれない。
どんなものも、いつまでも、親が隣で見ていて制御することはできないのだから。
いつかは、自分で自由にどんな事でもできる時を迎える。どんな物にも手を伸ばせる時が来る。
その時に備えて、きちんと良い事、悪い事への考え方を持ち、原則を持って行動できるように教えることが、本当の親業。
社交を学びながら、人との関わりの中で成長していく子供たちを、少し離れて見守るのも親業。
親という立場だからと、子供の社会、社交を壊してもいけない、と思う。
子供たちが大人になっていく過程で、いろいろな誘惑、問題に遭遇する。
私たちは、彼らの中に、身を守り、心を守ることができる武器を、
たくさん残しておいてあげたい。
RIKA