親の役割 #6 選ぶ能力/
私たちが生きていく長い道のりで、
『選ぶ』ということは、
大小合わせて、一体、何回経験するのだろう。
その『選ぶ』というたった1つのアクションで、結果が全く変わってくるかもしれない。
誰もが、より良い、Betterな結果を導くための『選択』『決断』をしたい、と願う。
だからこそ、悩み、しんどい時もある。
自分の意志で『選ぶ』ことができる能力を育てることーーー
親の役割のひとつとして、忘れてはならない大切なことである。
アメリカでは、子供も小さい頃から、日常の中に、とにかく『選ぶ』必要があること、モノが多々ある。
朝のブレックファーストでも、
「オレンジジュース?グレープフルーツジュース?ミルク?」
「卵は、スクランブル?目玉焼き?オムレツ?ゆで卵?」
「ベーコン?ハム?ソーセージ?」
「パンの種類は?」「シリアル?」
なんて。。きりがない。
ホテルでなくても、こんな『選択』そして『即決』が要求される“自由の国”のお国柄である。
Buffet (ビュッフェスタイル)の多い欧米は、“好きなものを好きなだけ取ってください”
という主旨とは言え、
教育として大人は、“自分で選んだもの、自分でお皿にのせた量なのだから、責任をもって、きれいに完食しなさい” と教える。
スーパーマーケットに買い物に行くと、肉類は、部位で選べるし、細かい量刻みで購入できることができる。
ファストフードのKFCなどでも、好きなパーツをオーダーできるし、ハンバーガー店でも挟むものや付け合わせ等を細かくオーダーできる。
今、日本でもStarbucks(スターバックス)のカスタムオーダーが、とても評価されているけれど、欧米では、どこでもあのサービスが普通である。
多民族国家で、歴史、宗教、文化、風習すべてが違う人種が生活している、という背景もあるだろう。
そのために、皆、『自分はどうしたいか』『自分は何が好きで何が嫌いか』を
とても明確に持っている。
食べ物のような日常の小さいことなら、まだいいが、
もっと大きな決断、が必要な場面に出くわした時、
『選ぶ』ことはかなりの大仕事。
『選ぶ』ということは、過程にも結果にも責任を持つことになるので、
その時の自分に正直に、いろいろな分析、経験も取り入れて、BESTな答えを見つけようとする。
動物のように、本能や経験、条件反射からだけではなく、私たち人間は、分析や情報も集結させて、頭を働かせて、『選ぶ』
やっぱり、確かに難しい。
時には放り出して、誰かに選んで欲しい、と思う時もあるだろう。
けれど、人生で必ず訪れる岐路に立った時、他人に依存したり、逃げたりしないで、
自立した思考能力をもって、判断し、選択をして欲しい。
大人や他人の意見やアドバイスを参考にしても、もちろんいい。
でも、あくまでも、最終的に『選ぶ』のは自分。
そして、やはり理想的なのは、ポジティブシンキングで。
失敗とか、後悔とか。。そんな言葉が思い浮かばないように、
自信を持って『選ぶ』ようにしたい。
親として、できることは
①子供の経験値を上げる。
②自分の意見、意志を整理して、勇気をもって表明できるようにする。
③子供の好き、嫌い、その理由を、そのまま受け入れて、理解してあげる。
特にこの③は重要。
大人の都合や親の考えを押し付けて、子供の意志をねじ曲げるようなことは、決してしないこと。
つまり、選べないから、と親が答えを出して、代わりに選んであげる、ということは避ける。
これを続けてしまうと、子供は自分で選ぶことができない人間になってしまったり、人のせいにしてしまったり、いわゆる優柔不断な性格になる。
何事にも納得できる結果を出せなくなってしまい、自分に自信を持てないコンプレックスを持つ性格になってしまうケースもある。
私たち大人が、子供自身の、感情や思いを、きちんと受け入れて、さらに理由にも耳を傾けることで、子供は、自分の『選ぶ』基準をしっかり身につけていくことができる。
その『選ぶ』基準や志向に変化や修正があるのは、彼ら自らの経験や学習、精神的成長などによって起こる時のみ。
外的な影響は受けない方がいいと思う。
自分のために、自分が決める。
自分の意志を信じて、選ぶ。
そんな強い大人になって欲しい。
RIKA