泣いてストレス解消//

先日の野々村県議の号泣会見は、さておき。。

泣く、という行為がストレスを解消する、というのは事実である。最近は『涙活(るいかつ)』と言うらしい。

私は、ライフオーガナイザーとしてメンタルオーガナイズの必要性がある時や、また、グローバルペアレンティングのカウンセラーとしても、クライアントの心の中にあるネガティブなものを取り払って、風通しの良いスペースを作ってあげるのに、どの方法がいいか、、といろいろ模索するのだが、

ひとつのメソッドとして、涙を流すのも効果的だと思っている。

涙で気持ちをリセット。

涙で気持ちをリセット。

高まってくる感情を押さえつけることなく、涙を流すというのは、気持ちがすっきりする。

長い間、言葉で表現できなかったり、誰かに聞いてもらえないで、胸の中にしまい込んでいたモヤモヤを一気に吐き出すので、ストレス解消目的だけで考えると、笑うよりも、泣く方がむしろ効果があるという。

感動や悲しみで涙を流す、ということは、脳のストレスを軽減すると言われていて、不安やネガティブな思いを洗い流してくれる。脳医学的にも検証されていて、免疫力がUPしたり、ストレス物質が排出されたりするので、心が軽くなるのを感じる。

逆に、全く泣けない、という状態はかなり心が疲れているストレス満杯の状態なので、何らか他の改善方法を本気で考えないといけない。

 

以前、30代のキャリアウーマンで妊娠7ヶ月に入った女性のカウンセリングをしていた時、いつも、とてもキリッとしていてリーダーシップもあり、仕事ができて明るい彼女が、私の目の前で、ポロポロと泣き出した。

私が背中を摩ると、さらに彼女の嗚咽は大きくなっていった。

『泣いていいんだよ』と一言添えて、ただただ背中を摩り続け、できるだけ涙を流させた。

 

ずっと、第一線で仕事をこなし、後輩、部下を守り、若い人たちの見本になり、上司と戦い、企業に長く貢献してきた独身キャリアウーマンの彼女が、結婚する、と言った時、周りはとても驚いた。

そして、同時に妊娠。

羨ましがられていたモデル並みのスタイルが、日に日に丸く、柔らかい印象に変わっていく。

トレンディーなお気に入りの洋服が入らなくなり、ヒールがはけなくなり、鏡を見るのが嫌いになったと嘆いていた。

好きな食べ物を見ても気分が悪くなって食欲が無くなると、親や周りから、きちんと栄養を摂れ、元気な赤ちゃんを産む為に、と言われた。

やっと食欲が出て来ると、やたらお腹がすいて、イライラ解消のためもあり、食べたいだけ食べた。

お腹がどんどん大きくなり、体が重くなり、足がむくんできて、検査の時にドクターに、体重が増え過ぎです、と叱られた。

好きな仕事も、これまでの業務が出来なくなってきて、さらに数ヶ月後には休職するため、築いて来た仕事から離れ、若い後輩に担当替えとなった。

 

赤ちゃんは、お腹の中で動くようになり、母としての幸せも感じていた。

でも、生まれたところで、果たして、生身の人間を、こんな私が育てることができるのだろうか。。という将来の見えない不安でも胸が潰れそうだった。

働くママを応援する社会に!

働くママを応援する社会に!

時々、眠れぬ夜に、もう、こんなの嫌だ。。と思っていた。

そして、そんな風に思ってしまう自分を責めてもいた。

 

あまりにも複雑な心の中、ホルモンのバランスの関係もあり、ずっと強がっていた彼女は、私の顔を見るなり。。いきなり泣き出したのである。

 

母になる。。。女性が身体も心も一段階、強くなり、成長する過程なのだと思う。

そして、その過渡期には、一人ぼっちで本当にしんどくなる時期がある。

普段まったく、涙が似合わない強がりな彼女は、しばらく泣いた後、『もう、大丈夫。。です』とすっきりした顔を挙げた。

 

彼女の心の棚に居座っていた何か、どけたくでも、動かしたくてもどうにもならなかった何か。時間の経過とともに、その隣にも上にもどんどん積み重なっていったもの。

それを、涙がすっきりと洗い流してくれた。

まるで、空間のオーガナイズで棚から不要なものをどかして、埃を雑巾できれいに拭き取った後のように、きれいなスペースができた。

 

その後、彼女は、やっと、言葉で何が辛いか、気に入らないかを私に明確に伝えることができた。そして、友人の結婚式に妊婦の体型で何を着ていったらいいか、も悩んでいたので、一緒に、お腹をきれいに覆うステキなインポートのドレスを通販で選んだ。

その時の彼女の顔はキラキラしていた。

 

もちろん、シングルの女性も、社会の中で、様々な人間関係の中で、頑張ってもがいて、甘えずに生き抜いていくことに、ふと寂しさや虚しさを感じる時がある。

やってらんない! SOS !!!

やってらんない! SOS !!!

女性は、目が腫れることが恐いかもしれないが、私の経験では、お風呂やシャワーに入りながら泣くと、翌日顔も腫れずに済むような気がする。

女性が強くなっている世の中だけれど、本当に辛くなったら、パンクする前に涙を流して、心の棚を一度きれいにして。感情のオーガナイズは大切。

すっきりしたスペースに、きっと新しい、きれいな風が入って来る。笑顔が取り戻せる。

 

RIKA